日本にこっそりと存在している「ダサい」落とし穴

今回は、私自身の体験を通して考えた、「ダサいものが生まれる構造的問題」についてお話しします。その考えに至ったきっかけは、結婚式とマンションのリノベーションでした。
favvy 2023.03.10
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数年前に泊まったロンドンのホテルの水栓。海外のバスルームはバラエティに富んでいるので楽しいです。

数年前に泊まったロンドンのホテルの水栓。海外のバスルームはバラエティに富んでいるので楽しいです。

今回は、私自身の体験を通して考えた、「ダサいものが生まれる構造的問題」についてお話しします。その考えに至ったきっかけは、結婚式とマンションのリノベーションでした。

ルールに縛られた結婚式

数年前、私は結婚式の会場を探すために、首都圏のとあるクラシックホテルに見学に行きました。ホテルは歴史を感じる素敵な内装で、会場からの眺めも綺麗。夫とも、「ここいいかもね。」と話していました。ちょうど、ウェディングフェアの期間だったので、会場が結婚式仕様にセッティングされていたのですが、そこで気になったのが椅子の飾り。

椅子に、すっぽりと白いカバーが被せられていて、リボンもついていたのです。正直、そのカバーが気に入らなかったので、

「この椅子のカバーって取れますか?」

とホテルの方に聞いたところ、

「申し訳ございません。こちらのカバーは結婚式では必ずかけるルールとなっていまして、外せないんです。」

と言われ、びっくり。

え、カバー外すだけじゃない?それがダメ?そもそも普段はそのカバーかかってないはずだから、むしろ準備の労力減るのでは??

と、心の中で盛大なツッコミをしつつ、「あ、そうなんですね・・」と返答。

その他にも、ドレス持ち込み料が発生するとか、フォトグラファーはホテル提携の人じゃないとダメだとか、色んなルールがあり、急速に下がっていく私たち夫婦のテンション。

最近はもうちょっと自由になっているのかもしれませんが、日本の結婚式場にはこういうルールって結構ありますよね。

結局私たちは、家族の諸事情などもあり、フランスでの海外挙式を選びました。日本にもある、メジャーなグローバルホテルだったのですが、ルールが一切なく、本当に自由にウェディングを作ることができました。過度な干渉はしないけれど、私たちがサポートして欲しい部分は助けてくれる、完璧な距離感とホスピタリティ。今でも感動している体験です。パーティ文化が根付いているヨーロッパのサービスをここで学びました・・・。

選択肢が限られた家づくり

さて、結婚式から数年後、今度は中古マンションを購入し、リノベーションを行いました。リノベーションは、とにかく選択、選択、選択の嵐。間取りから壁紙、家電、しまいには、収納扉を右開きにするか左開きにするかまで(もうどっちでも良いよと思いつつ、結構重要)。ありとあらゆるものをどんどん選んでいかないといけません。しかも短期間で。

その中で特に選ぶのに苦労したのは、水回りのアイテム。

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続きは、3446文字あります。
  • 無意識のうちに発想が狭まっている
  • 多様性がセンスを育む

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