センスを磨くための、脳疲労対策。

今回は、意外とあなどれない脳の疲れについてのお話です。
favvy 2024.04.17
読者限定
満開の時期がとても短い桜。「今週末行っちゃう?」「雨だったらどうしよう」「来週だと散っちゃうかな」…と、毎年、お花見に行くタイミングを決めることに悩みます。

満開の時期がとても短い桜。「今週末行っちゃう?」「雨だったらどうしよう」「来週だと散っちゃうかな」…と、毎年、お花見に行くタイミングを決めることに悩みます。

このニュースレターを開いてくださった皆さまへ。

明日は何時に起きて、朝ごはんは何を食べて、何を着て、何処にいきますか?革靴を履きますか?それとも動きやすいスニーカー?取り掛かり中の勉強や仕事はどんな風に進めますか?ランチはコンビニで済ませますか?どこかお店に入りますか?夕ご飯は何を食べますか?スーパーで買わなきゃいけないものはありますか?宿題はいつ取り掛かりますか?配信の映画やドラマは何を観ますか?週末はどう過ごしますか?

……いきなり矢継ぎ早に、謎の質問をしてごめんなさい。冒頭の数行だけでうんざりしてページを閉じようとした方もいるかもしれませんが、ちょっとだけ辛抱して、この後の話を読んでいただけるとありがたいです。

とにかく選択することに追われている現代人

冒頭の内容は、日常生活の中で選択が必要となる場面の[一部]です。そう、ほんの一部。

私は30代を過ぎてから、選択することに疲れを覚え始めました。今夜の献立から、仕事をどう進めるかまで、ありとあらゆることを選択し続けた数十年間。「脳に疲労が蓄積しているぞ」という感覚が、もやもやと私の頭の中に広がってきたのです。

それもそのはず。ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授らの研究によると、私たち現代人は、歩く・座るといった体の動かし方から、仕事や家事の決断まですべてひっくるめると、1日で最大3万5,000回もの決断を下しているのだそうです*。3万回の決断を30年以上続けていたら、それは疲れますね。ついでに言うと、現代人が1日に受け取る情報量は、平安時代の一生分、江戸時代の1年分とも言われています。こちらはソース不明ですが、感覚的に、テレビや携帯が存在しなかった昔よりも、現代のほうが情報量は多いだろうという気はします。NETFLIXの作品だけでも多過ぎて選べないこともあるので。

ビジネスの成功者は選択ストレスを減らしている

ここで、Apple創業者のスティーブ・ジョブズを思い浮かべてみてください。どんな外見をイメージしますか?

おそらくほとんどの方は、「黒いタートルネック姿」を想像すると思います(余談ですが、あのタートルネックの服は、イッセイ・ミヤケのものだそうです)。

他にも、Facebookを設立したマーク・ザッカーバーグなど、テック企業の経営者は、いつも同じ服装であることが多いです。その理由はずばり、決断する能力を、経営などの重要な判断のために温存したいから、と言われています(意図的なブランディングという側面もあるかもしれませんが)。この言説は結構前から世に出回っていますが、私は最近まで、「そうか。服を選ぶ手間を省きたいんだな」程度にしか思っていませんでした。けれど、今の私ならば心の底からこの気持ちがわかります。

特別に服が好きとか、ファッション関連の仕事だったら別かもしれませんが、毎日服のコーディネートを考えるのは、結構頭を使います。他にしなきゃいけない家事や仕事や育児に追われていたら、少しでもそっちの方に脳のリソースを使いたいという気持ちが出てきてしまうのは当然でしょう。ましてや経営者ともなると、自分の決断が企業の業績や株価などに影響してしまうので、重責を担う人ほど、選択するストレスに敏感なのかもしれません。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3504文字あります。
  • パーソナルカラーや骨格診断が流行る理由
  • 選択が自分を作り上げる
  • 決断力を上げて、自分らしく生きる方法

すでに登録された方はこちら

読者限定
体験格差時代
読者限定
印象に残らない美しさ
読者限定
これから必須になりそうな「そうだけど、何か?」精神
誰でも
この人センスあるな…と感じる瞬間。
読者限定
ピンチから復活した街づくりの裏側とは?
読者限定
世界トップクラスのインテリアデザイナーの仕事術
読者限定
失敗したくないという気持ちと向き合う
読者限定
意外と現代人向きかも?和室の知られざる効果