なぜ私たちは、過去に惹かれてしまうのか?
かつて「死に至る病」だったノスタルジアの、知られざる世界。
Miwako
2025.10.24
読者限定
肌寒く、少しだけ内省的になるこのシーズンに、不思議とぴったり合うのが「ノスタルジア」という言葉。
最近、この感情をまったく新しい角度から捉え直してくれる一冊に出会いました。それは、歴史学者アグネス・アーノルド=フォースター氏による著書『ノスタルジアは世界を滅ぼすのか:ある危険な感情の歴史』です。
本の帯にはこうあります。
「人類史上、最も危険で、最も癒され、最も儲かる“エモい”感情の正体」。
これまで私は、ノスタルジアという言葉を「懐かしさ」や「懐古趣味」といった印象でしか捉えていませんでした。けれど、この本を読むと、その言葉の裏に人類の驚くべき歴史が広がっていることを知り、まさに目から鱗の連続でした。
今回は、この本が示すノスタルジアの意外な起源を手がかりに、そこから少し視野を広げて、私自身の考えも交えながら、この不思議な感情のさまざまな側面を探ってみたいと思います。
この記事は無料で続きを読めます
続きは、6092文字あります。
- 「死に至る病」だったノスタルジア
- 「昔は良かった」がオカネになる
- 懐かしい=新しい
- さよならがなくなる時代
- どの「懐かしい」を、選んでいくか。
- FAVVY - センスを育てるヒント - について
すでに登録された方はこちら